2017 年 3 巻 1 号 p. 1-5
[目的]地域高齢の初期調査時の筋力と 6 年後の要介護度との関連を検討することを目的とした。[方法]2006年 A 市保健センターにおいて健康診断を受けた60歳以上の住民211名の内,要支援・要介護者を除いた165名である(71.5±28.5歳,男性47名,女性118名)。[結果]追跡時の各転帰における握力の比較では要介護1・2 群,要介護3・4・5 群が自立群よりそれぞれ有意に減少した。膝伸展力の比較では要介護3・4・5 群が自立群より有意に減少した。[結論]先行研究の値を考慮すると,握力が20 kg,膝伸展力が12 kg を下回ると要介護になることが推察された。筋力は要介護度について評価が可能であることが示唆された。