応用老年学
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原著論文
独居高齢者の配偶者関係からみた類型別の高次生活機能および精神的健康状態の比較
―首都圏高齢者の地域包括的孤立予防研究(CAPITAL study)より―
橋本 由美子渡辺 修一郎野中 久美子小池 高史長谷部 雅美村山 陽鈴木 宏幸深谷 太郎小林 江里香藤原 佳典
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2017 年 11 巻 1 号 p. 27-35

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抄録

本研究の目的は,独居高齢者を配偶者関係から類型化し,高次生活機能および精神的健康状態との関連を明らかにすることである.2013年に東京都A区の65歳以上の住民8332名から要介護度4・5の者および施設入所者を除いた7707名に実施された郵送調査に回答した5052名のうち,独居の757名を分析対象とした.独居高齢者を,配偶者との関係から,別居・離別・死別・未婚に分類した.高次生活機能の指標は老研式活動能力指標,精神的健康の指標はWHO-5-J得点を用いた.独居の類型、別居子の有無,世帯年収を固定因子,性別,年齢を共変量とした一般線形モデルにて老研式活動能力指標およびWHO-5-J得点と独居の類型との関連を検討した.独居類型と老研式活動能力指標との関連は有意でなかった.一方,WHO-5-J得点については,独居類型と別居子の有無との交互作用が有意に関連しており,別居による独居群において別居子がいる場合にとくに低かった.

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© 2017 一般社団法人 日本応用老年学会
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