本研究では,東京近郊のA市で2012年から2014年に要支援1・2に新規認定された2,791人を対象に予防給付サービスの効果を要介護度の悪化と死亡の発生の2つの指標を用いて検証した.その結果,認定初期の予防サービス利用は要介護度の悪化リスクを高めるが(HR 1.30, 95%信頼区間:1.17-1.45),[死亡]の発生は抑制する(HR 0.65, 95%信頼区間:0.52-0.80)傾向が認められた.また,サービス利用者の要介護度の悪化は発生時期が早く,その要介護度も大部分が要介護度2以下であった.以上から,認定初期の予防給付サービスの利用は,軽微な状態変化を把握し易くなる特性から要介護度の悪化がより早期に出現するが,そこには死亡を含む重大なイベントの発生を抑制する効果が含まれる可能性が示された.要介護度の悪化をアウトカム指標として用いる際には,その解釈を慎重に行う必要性がある.