応用老年学
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資料論文
介護保険制度における住宅改修理由書様式の市区町村独自項目の設定状況
土屋 瑠見子田島 美紀服部 真治
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2022 年 16 巻 1 号 p. 70-79

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抄録

「住宅改修が必要な理由書」は,介護保険制度の住宅改修サービス利用時の事前申請で提出する重要な書類である.その様式は,厚生労働省から標準様式が提示されているが,各市区町村が独自に項目を定められる.しかしその実態はわかっていない.本研究では,市区町村が独自に設定した項目を整理し,その内容を考察することによって,今後の理由書の改訂や調査研究で活用するための基礎資料を作成した.2021年2~9月に各市区町村のホームページから理由書の様式を入手し,「A:標準様式」,「B:標準様式を一部改訂」,「C:標準様式を大幅に改訂」に分類し,B, Cと標準様式との相違点について整理を行った.対象市区町村は414か所であり,このうち「A:標準様式」は27%,「B:標準様式を一部改訂」は32%,「C:標準様式を大幅に改訂」は6%であった.各自治体が設定した独自項目を整理した結果,専門職の負担軽減と生活上の困難への対処法を総合的に検討できるような工夫がなされていた.

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© 2022 一般社団法人 日本応用老年学会
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