高齢者の周囲との交流の少なさが問題となっており,困難に直面したときに周囲に援助を求めにくいことが指摘されている.近年,様々な人と気軽に交流できるツールとしてSNSがあり,特にLINEは高齢者においても普及が進んでいる.本研究では,高齢女性181名(M = 71.91歳,SD = 5.22歳,65-92歳)を対象として,LINEの利用頻度と援助要請との関連について検討した.その結果,LINEのやりとりを毎日行っている人は,積極的に援助を要請しやすい傾向があった.一方で,LINEの情報の閲覧頻度と援助要請との関連は見られなかった.LINEは,SNSの中でもメッセージを送受信することに特化しており,周囲と容易に交流できるツールである.そのため,LINEを日常的に利用していて,自らメッセージを発信するという行為が習慣化している高齢者は,援助を要請することに対する心理的な障壁が少ないと考えられる.