応用老年学
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原著論文
老人福祉センターA型における看護職と福祉職の緊急対応自己効力感とその関連要因
塩満 芳子光武 誠吾岡 浩一朗
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2012 年 6 巻 1 号 p. 39-49

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抄録

 本研究は、老人福祉センターA型におけるリスクマネジメントを強化する為に、看護職と福祉職の緊急対応自己効力感に関連する要因を検討した。まず、予備調査で得られた記述内容に関する質的内容分析により、緊急対応自己効力感を評価する為の5項目を準備した。次に、東京都内33施設の看護職26名、福祉職70名が質問票に回答した結果、緊急対応自己効力感を評価する為の尺度の信頼性と妥当性が確認された [研究1]。また、緊急対応自己効力感に影響を及ぼす要因を見極める為に重回帰分析 (ステップワイズ法) を行った [研究2]。その結果、福祉職における看護職不在日の緊急対応経験回数が自己効力感と有意に関連している事が明らかとなった。これらの結果から、心肺蘇生や症状別対応等の基本的知識や技術の習得に加え、実践に即した緊急対応のシミュレーションを行い、徐々に自己効力感を高めていく事が、リスクマネジメント強化につながると示唆された。

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© 2012 一般社団法人 日本応用老年学会
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