抄録
リン酸化したサゴデンプン(PSS)の物理化学的性質をリン酸化していないサゴヤシデンプン(NSS)と比較した。PSS1はNSSにトリポリリン酸ナトリウムと、PSS2はアルカリ条件下(pH8, 9, 10, 11)でオキシ塩化リンと反応させて調整した。PSSの特徴はリン酸・灰分・タンパク質・脂質・アミロース含量、膨潤度、溶解度、水分保持力、透光度から評価した。リン酸化により、脂質やタンパク質含量が低下し、灰分やアミロース含量が増加した。pH9で調整されたPSS1のリン酸含量は他のpH条件で調整された場合より高く、pH11で調整されたPSS2のリン酸含量は他のpH条件で調整された場合より高かった。PSSの膨潤度と水分保持力はNSSよりも高く、溶解度はその逆であった。PSS1の透光度はNSSよりも高く、PSS2のそれはNSSよりも低かった。