日本酒造りに欠かせない米の酒造適性については、明治時代から認識されていたとのことで、以来、研究が続けられている。育種や栽培面では、近年地域ブランドの育成のため、県独自の酒米品種の育種に取り組まれたり、温暖化への対応に迫られたりしている。コロナ禍によって酒造好適米の需給バランスが大きく崩れる問題もあったが、原料米の流通については、関係者以外にあまり知られていないようである。そこで、今回は3人の講師をお願いし、原料米を多面的に知るセミナーを開催した。また、本研究会初めての試みとして、酒米研究会の後援をいただき、同研究会からも多数の参加者があった。今回は各講師の了解を得て、講演と質疑、総合討論の概要を掲載する。