箱庭療法学研究
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研究報告
コラージュ療法の治療的特性について
―― 「螺線的な心理療法過程の促進」という視点から――
廣澤 愛子
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ジャーナル 認証あり

2011 年 24 巻 1 号 p. 1_67-1_82

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抄録

本論文においては,コラージュ技法の治療的特性について,(1)継続的なコラージュ実施が,螺線的な意識と無意識の相互作用のプロセスを促進し,自我の変容(古い自我の解体と新しい自我への統合) をもたらすという治療的特性を持つ可能性があること,(2)心理療法がそのような螺線的なプロセスをたどった場合には,初期と終結期(節目の時) のコラージュ作品に類似性と相違性の両方が見られる可能性があること,(3)さらに,心理療法過程が螺線的な経過をたどるときには,たとえ継続的にコラージュを実施せずとも,心理療法の初期と終結期(節目の時) のコラージュ作品に類似性と相違性の双方がみられることがあり,心理療法過程やCl の心的状態をアセスメントするための一つの指標となり得ること,を指摘した。

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© 2011 日本箱庭療法学会
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