2013 年 26 巻 2 号 p. 75-88
強迫性障害(Obsessive-Compulsive Disorder)の青年に対する箱庭療法の効果を調査する試みにおいて,我々は,「パデュア尺度」(Padua Inventory)や「症状自評量表」(Symptom Check List-90)により強迫性障害と診断された青年男性に,個別の箱庭療法を12セッション実施した。質的研究法を用いて,我々は,患者の箱庭プロセスに4つの段階を見出した。治療後,患者には強迫症状の減少が見られ,彼の自己認識はより適合的で客観性を持ち,合理的で受容的なものとなった。結果として,我々は強迫性障害に対する箱庭療法の治療的メカニズムについて概説した。この治療効果研究は,強迫性障害患者の治療者に,可能性のある新たな選択を提示するものである。