箱庭療法学研究
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外国語論文
現代の日本人における夢の構造の特徴
年齢による差異を中心にした検討
田附 紘平
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キーワード: 夢の構造, 年齢, 日本人
ジャーナル 認証あり

2021 年 34 巻 2 号 p. 51-60

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抄録

我が国において,夢に関する臨床的な研究は,夢の内容を扱ったものがほとんどであった。近年,夢の構造に着目する意義が指摘されているが,その基礎研究・事例研究ともに不足している。本研究の目的は,基礎研究として,日本人の夢の構造の年齢による差異および性差を検討することであった。オンライン調査によって得た20代~70代の調査協力者392名による夢の記述を評定した後,重回帰分析を実施した。その結果,性差はみられず,年齢による差異が多くみられた。具体的には,年齢が高いと,「困難状況の発生」「他(者)による主導権」「他(者)からの働きかけ」「他(者)とのやりとり」「他(者)の状態の連続性なし」「他(者)の実態の曖昧さ」「私の行動の制御不可能性」「私の状態の連続性なし」が有意に少なく,「私の主体的行動」「私の主観的描写」が有意に多かった。

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© 2021 日本箱庭療法学会
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