産婦人科の進歩
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臨床研究
京都府医師会が行っている子宮がん検診事業における細胞診精度管理の実態
岩さき 武輝那須 芳森 洋一森 治彦小畑 義安田 迪之武部 力寺西 二郎
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2006 年 58 巻 4 号 p. 339-344

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抄録

 京都府医師会では,京都府の子宮がん検診事業に参加している5ヵ所の検査所から毎月無作為に抽出された陰性標本を細胞診専門医により精度管理しており,場合により医療機関や検査所に注意指導を行っている.子宮がん検診事業における細胞診の精度管理について,過去4年間の2,694例の陰性標本の検鏡で指摘された810項目では,染色不良がもっとも多く(220項目,27.2%),ついで判定不一致(163項目,20.1%),サンプリング不良(158項目,19.5%)であった.京都府医師会子宮がん検診委員会による子宮がん検診事業参加の医療機関および検査所に対する外部精度管理として,子宮頸がんについては1978年より,子宮体がんについては1989年より独自に実施してきた.京都府医師会が全国に先駆けて実施してきたこの細胞診の精度管理は,検診事業に関わる医師と細胞検査士へのフィードバックとしてぜひ必要と考えられ,今後も発展的に継続したいと考えている.〔産婦の進歩58(4)339-344,2006(平成18年11月)〕

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© 2006 近畿産科婦人科学会
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