産婦人科の進歩
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肝における17α-ethynyl-estrenolの水酸化に関する研究
石原 政芳
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1971 年 23 巻 1 号 p. 15-28

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抄録

合成steroidの代謝は一般に肝での水酸化により特徴づけられる. 本実験では, 17α-ethynyl-estrenol (EEL)を例としてとりあげ, このsteroidの代謝に水酸化反応が関与する可能性と, その特徴を主としてウサギ肝とのincubation実験で検討し以下の結果を得た. すなわちEELの代謝は3位の水酸化にはじまる. そしてこの反応には分子状酸素, NADPH2が必要で肝ミクロソーム分画に酵素活性が高い. 次にいわゆる薬物代謝酵素による水酸化と比較する目的でmethylhexobarbitalの水酸化を同時に検討したが, その結果両者の水酸化酵素活性はいくつかの点で相異し, EELの水酸化にはcyt. P-450以外にさらに他の因子が介在し, それがEEL水酸化の律速段階となりうる可能性が示された.

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© 近畿産科婦人科学会
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