1975 年 27 巻 1 号 p. 55-59
Alnpicillin(AB-PC)は副作用が少なく, 抗菌スペクトルが広いので産婦人科領域においても繁用されているが, 現在臨床上使用されているものはAB-PCのNa塩で吸収排泄が速く, 不安定であった. 今回AB-PCの遊離酸の水性懸濁液であるHI-63について検討し, 本剤が血中濃度のpeakはやや低いが, 有効濃度の持続が長く, 安定性も優れていることを確認した. また30例の産婦人科感染症に使用し, 著効16例, 有効7例で副作用は2例の発疹と1例の局所硬結の他なく, 臨床上有用な剤型であると考えられた.