産婦人科の進歩
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Estrogen投与は, 子宮内膜癌の原因となり得るか-統計的関係の存在が, 原因を伴ったものかどうかを判定するにあたっての約束事項(criteria)を中心として
南川 淳之祐倉智 敬一
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1978 年 30 巻 1 号 p. 1-8

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抄録

因果関係の存在が原因を伴ったものかどうかを判定するに際しての5つのcriteriaをまず述べ, cstrogenが子宮内膜癌の原囚となり得るかどうかについて今まで調査されたもろもろの結果について, このcriteriaを満足しているかどうかを批判分析し, 今後なされるべき疫学調査の必要性と方向について次のようにまとめた. 1)retrospective studyを行う場合は愚者と対照群の撰択に注意を要すると共に, biasの侵入を避けること. 2)より多くの地域で, より多くの方法を用いた調査が必要である. 3)時間的因果関係をでき得る限り明確にする為には, 発症期から, 診断可能時までに至る潜伏期の仮説が必要である. 4)内膜癌発症率の年次推移の調査も同時に行なう必要がある.

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© 近畿産科婦人科学会
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