産婦人科の進歩
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Actinomycin D法による妊娠中期発症SFDに関する実験的研究
平岡 克忠
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1980 年 32 巻 5 号 p. 437-448

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抄録

妊娠ラットに0.07μg/gのactinomycin D (AcD)を妊娠第11~12日に投与すると, 特異的高率をもってSFDを発生せしめうることを見出し, AcD法と命名した. このSFD発生機序については, 胎盤充実期と胎仔発育期との間には位相差が有って, 妊娠第11~12日にAcDを投与した場合は主として前者が障害され, 胎盤のDNA, RNA, 蛋白合成率は各66, 48, 63%減少するが, また, その影響はalkaline phosphatase, ATPase, Na+・K+ATPaseの活性低下および糖移送能低下などを招来しつつ妊娠末期まで持続し, SFD発生を見るに至ると推考された. AcD法モデルは妊娠中期発症SFD病態を解明する上で示唆に富む.

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© 近畿産科婦人科学会
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