症例1は42才, 1回径産. ASDに細菌性心内膜炎と僧帽弁口逆流が加わり, 35週より妊娠中毒症が追加. 入院の上, 利尿剤とジギタリス急速飽和で肺水腫をまぬがれたが, 分娩後約18時間低拍出性心不全が持続.
症例2は26才, 初産婦. ASDに軽度のMRあり. 月経不順で280日目を仮予定日とし, 自然陣痛なく41週で入院. 43週3日, 血清HPL, E
3が低下したため帝切分娩. 術後数時間低拍出性心不全軽度あり.
ASDは妊娠・分娩による事故の少い心疾患であるが, 肺うっ血のため逆シヤントが生じると, 肺水腫や右心不全を来す. また, 心疾妊婦は細菌性心内膜炎や血栓の危険あり, 非観血的心機能検査としてプレシスモグラムを用いた.
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