産婦人科の進歩
Online ISSN : 1347-6742
Print ISSN : 0370-8446
ISSN-L : 0370-8446
過去5年間における当科不育症患者の原因と治療成績に関するretrospectiveな分析
坪倉 省吾後山 尚久猪木 千春坂井 昌弘植木 實宮崎 和典
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 48 巻 5 号 p. 529-534

詳細
抄録

大阪医科大学附属病院産婦人科不育症外来を過去5年間に受診した,連続2回以上の自然流産の既往をもつ挙児希望の患者150例について,従来の習慣流産・反復流産についての原因検索および治療を行い,以下の成績を得た.1.原因検索の結果,重複例を含めて子宮異常32例,クラミジア抗体陽性例8例,内分泌異常26例,染色体異常6例,自己抗体陽性98例であった.2.そのうちそれぞれ治療の結果,生児を得た症例は子宮異常13例,内分泌異常6例s染色体異常4例,自己抗体陽性14例であった.3.原因検索にて原因不明と思われる症例74例に夫リンパ球を用いた免疫療法を行った.その結果31例が生児を獲得し,免疫療法の成功率は79.5%であった.以上の結果,習慣流産のみならず反復流産においても挙児を得るための積極的な原因検索と治療が必要であると考えられた.さらに原因不明例に対しても免疫療法が有効であると考えられた.〔産婦の進歩48(5);529~534,1996(平成8年9月)〕

著者関連情報
© 近畿産科婦人科学会
次の記事
feedback
Top