産婦人科の進歩
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子宮体部原発のNeuroendocrine carcinomaの1症例
笠原 恭子秋山 稔喜多 伸幸木村 俊雄廣瀬 雅哉高倉 賢二野田 洋一
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1998 年 50 巻 5 号 p. 523-529

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抄録

子宮体部原発のneuroendocrine carcinomaのまれな1症例を経験した.予後不良な疾患で,有効な治療法は確立されていない.症例は54歳の2回経産婦で,閉経後性器出血で発症し,骨盤腔内を占拠する子宮腫瘍の急速な増大を認めた.子宮内膜生検標本で,小細胞癌の形態を示し,免疫組織化学染色でシナプトフィジンおよびクロモグラニンに陽性を示したことにより確定診断した.血中の複数のneuropeptideが高値であった.全身状態不良のため,化学療法(CBDCA:280mg,CPA:500mg)1クールを施行したが,腫瘍縮小効果なく,発症後約80日で死亡に至る急速な臨床経過を呈した.〔産婦の進歩50(5);523~529,1998(平成10年9月)〕

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