抄録
本研究では,我が国で一般的な園芸用パイプハウスを対象とし,一連の風洞実験結果に基づき,外装材設計用ピーク外圧係数を提案する。ここに,「外装材」とはパイプハウスの外皮(envelope)を構成する被覆材(フィルム)とその取付金具,抑えひもとその取付金具や定着杭など,風圧を直接受ける部材だけではなく風圧をアーチパイプ等のフレームに伝達する二次部材も含めた総称である。
実験では縮尺率1/40 の模型を用い,境界層乱流中で外圧の多点同時測定を行い,外圧の時刻歴データを得た。単体モデルのほか,2 ないし3 棟が並列して建設される場合についても測定を行った。まず,単体モデルに対して最大・最小ピーク外圧係数分布を求めた。次に,一般的なパイプハウスの構成を想定し,側壁(桁行方向の壁)に作用する面平均外圧や各断面に作用する局所揚力係数のピーク値に基づき,外装材設計用ピーク外圧係数を提案した。さらに,複数棟モデルに対する実験結果を用いて,ピーク外圧係数,側壁に作用する面平均ピーク外圧係数,並びに,局所揚力係数に及ぼすパイプハウス棟数や隣棟間隔の影響を把握した。