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3元交雑肉豚における椎骨数および椎骨数遺伝子型と枝肉・肉質形質との関連性の解析
野口 剛 赤坂 大輔宮部 真理子美川 智奧村 直彦金谷 奈保恵
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2012 年 43 巻 1+2 号 p. 15-23

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抄録
310頭の三元交雑種の肉豚を用いて,椎骨数の違いによる肉豚の増体量,枝肉成績,肉質成績,体脂肪の脂肪酸組成を比較した。さらに,椎骨数遺伝子型(VRTN)の遺伝子型による分類を行ない同様な比較を行なった。椎骨数の発生頻度は20型が11%,21型が66%,22型が23%であった。椎骨数22型の枝肉は20型,21型に比べと体長,ロース部が長く,ロース断面積が小さく,ロースおよびバラの比率が高くなっていた。肉質は肉の硬さに違いがみられ,22型が柔らかくなった。増体量は22型が優れる傾向を示した。背脂肪の脂肪酸組成は椎骨数の影響を受けなかった。椎骨数遺伝子型による分類でみると野生型は椎骨数が20と21個の2タイプがみられ,平均椎骨数は204個,ヘテロ型は20,21および22個の3タイプがみられ,平均椎骨数は21.0個,増大型は21と22個の2タイブがみられ,平均椎骨数は21.7個であった。椎骨数の遺伝子型を診断することにより,個体の椎骨数を推定することが可能と考えられた。椎骨数遺伝子型による分類において,枝肉成績,肉質成績,体脂肪の脂肪酸組成は椎骨数の分類と同様な結果が得られた。
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