農業施設
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平成26年豪雪により被災した温室の実態調査
森山 英樹 奥島 里美石井 雅久
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2014 年 45 巻 3 号 p. 108-120

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抄録
2014年2月の大雪によって,関東甲信地方を中心に農業施設に甚大な被害が生じた。群馬県,長野県,山梨県および栃木県の地中押し込み式パイプハウス,鉄骨補強パイプハウス,アングルハウス,鉄骨ハウス,ガラス室および果樹用ハウスを現地調査し,破壊モードおよび被災要因を分類した。単棟温室ではばたつき防止用ネット等が屋根上積雪の滑落を阻害した。連棟型温室では谷に集中した積雪荷重に対する融雪不足が骨組構造の破壊を生じ,谷樋からの越流水が基礎の沈下をもたらした。強風や隣棟間の古い残雪が荷重条件に影響を及ぼした。筋交の不足による柱の転倒が多数あった。その場合,柱梁接合部および柱基礎接合部の破壊が生じた。柱梁接合部には回転を充分に抑制できない仕様のものも多く,柱基礎接合部に力が集中した。現状の問題点に対して,筋交着脱金具の開発,コンクリートを使用した柱基礎接合部の改良,谷樋周辺の被覆材展張方法の改善等の降雪対策を提案した。
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