抄録
食品のおいしさを評価する上で,食感や歯ごたえの客観的方法による計測ができれば,それは有効な手段となる。今日では,食感や歯ごたえの違いを生む食品の硬さやテクスチャーを物理的に調べる複数の技術が考案され,実用化されているものも多い。しかし,弾性,粘弾性または粘性をもつ食品について,その内部の相対的な硬さの度合いや分布を簡便かつ2次元的に計測・可視化する手段はない。そこで,超音波断層画像処理に基づく,食品内部の硬軟分布を推定・可視化するための手法を提案する。計算機シミュレーションとファントム実験を通して,この手法について紹介する。実験の結果,提案法によって食品内部の相対的な硬軟分布を可視化できる例が示された。