抄録
本研究の目的は,堆肥の温度帯に応じて通気と無通気の時間を任意に設定することが可能な時間変動型の間欠通気式の堆肥化を用いて,乳牛ふんの堆肥化初期過程における温度および CH4,N2O,NH3 排出量を明らかにすることである。小型堆肥化試験装置を用いて6種類の ON/OFF 設定による時間変動型の間欠通気式堆肥化を行い,慣行の連続通気と間欠通気の堆肥化と比較した。その結果,時間変動型の間欠通気システムは,慣行の堆肥化に比べて堆肥温度が55 ℃を超える高温期を持続させ,同時に最高温度を最大5.0 ℃上昇させた。システムの設定条件にもよるが,通気(ON)時間の割合を約80%削減させたとしても,慣行の連続通気や単純な間欠通気の堆肥化よりも温室効果ガスの排出量を最大58%減少させた。さらに,本システムは堆肥化の高温期で発生する NH3 排出量を最大93%減少させた。環境負荷ガスの抑制には,慣行の通気法よりも時間変動型の間欠通気を利用することが効果的である可能性があり,より衛生的な堆肥の生産にも寄与すると思われる。