抄録
前報で得られた結果をより詳細に検討するため, 籾および〓の含水率状態による粉塵の発生特性について調べた。試作した籾流動層による粉塵発生・分離の試験方法は分離性能がよく, 良好な結果を得ることができた。粉塵の発生は分離操作の初期段階において, 最終段階の50~80%の粉塵発生量を得た。また, 籾含水率の高いほど発生粉塵量は多いことが明らかとなり, 25%前後の高含水率状態の籾では, 5%以下の乾籾に対し, 2~3倍の値となった。籾の構成物である玄米, 〓および毛茸 (粉塵) それぞれについての含水率状態による関係を明らかにした。さらに, 分離された籾粉塵の粒度特性をも考慮に入れ, 実際における粉塵発生のメカニズムについて論及し, 一般的に認識されている粉塵の発生特性との相違ならびに矛盾を説明した。