抄録
1984年ハルピン市に出張した機会に種子用トウモロコシ乾燥施設を調査した。静置形の交互通風乾燥装置を利用しているが, 乾燥速度や乾燥法などに問題があったので, 技術的な診断を試み, 次のような結果を得た。
1) 乾燥速度は温度及び風量の影響を受けるが, 火炉の能力不足と熱損失が大きく, また, 送風量が不足しているため, 平均乾燥速度が0.25%/hにどどまっている。
2) 穂付トウモロコシは特に乾燥しにくいので, 脱粒後の乾燥をあわせ行う2段階乾燥法を採用する必要がある。試作機による実験の結果, 乾燥速度2%/hが得られ, 乾燥性能を高めることが可能となった。