農業施設
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牛糞搾汁液によるメタンガス生成
回分操作による実験
岩渕 和則松田 従三
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1988 年 19 巻 1 号 p. 5-9

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抄録
畜産廃棄物をメタン発酵処理する場合, これに混入している敷料などの夾雑物はほとんど分解されることなく残存し, 特に牛糞において顕著である。そこで牛糞を固液分離した搾汁液を原料とすることによって消化特性の改善を図ることを考えた。
本研究では, この搾汁液を用いて発酵温度を20, 25, 30, 35, 40, 45, 48℃の7段階に設定し, 実容積0.5lの発酵槽による回分操作実験を行い, メタン発酵終了後のVS (VS-min), COD (COD-min), 分解VSあたりのガス生成量を求めた。
この結果VS-minは2.3~2.6%, COD-minは33.7~37.6g/lであった。このことより, メタン発酵で分解される搾汁液中の有機物は42~45% (重量) であることが判明した。また, 分解VSあたりのガス生成量は発酵温度35℃以上よりも, むしろ30℃以下で多くなった。しかし, メタン率は低温度ほど低くなる傾向にあった。
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