抄録
実規模アイスポンドシステムを用いてバレイショを収穫翌年の6月末までの7か月間にわたり2℃で貯蔵し, 品質の変化を調査した。出庫時のバレイショの品質は極めて良好であり, 減量率は1~6%と小さく, 発芽やしわの発生はなく, サラダに加工した品質も良好で, また還元糖含量の増加により甘味が増した。バレイショ出庫時には塊茎表面に結露を生じるため, 強制通風により速やかに乾かす必要がある。また選果済み品を段ボール箱入りで貯蔵する場合には, 品温上昇による発芽と過飽和によるカビの発生を抑制するために,箱内の通気に留意しなければならない。また出庫後は発芽が早いため, 1~2週間以内に消費されるような流通上の戦略が必要である。