抄録
本研究では, 吸水過程における大豆粒の3軸形状, 比容積および2次元形状を測定し, それぞれの特性について考察するとともに, 3者間の関係を求めた。その結果, 以下のことが明らかとなった。
1) 大豆粒の3軸方向長さは吸水初期において急激に膨張し, その後, 平衡値に至る。
2) 幅 (b) および厚さ (c) の長さ (a) に対する比 (b/a), (c/a) は含水率に依存して変化する。すなわち, 50%d. b. 以下では一定値を示し, 50~100%d. b. では直線的に減少, 100%d. b. 以上で一定値を示す。
3) 形状係数は含水率に関して一次の関係を持つが, 温度には依存しない。
4) 3軸長さを元に計算した扁平楕円球の体積は, ピクノメータを用いて計測した比容積と相関係数0.90で良く一致した。
5) 3軸長さから求めた大豆粒比容積と実比容積は含水率に対して線形の相関を持つ。しかし, 温度依存性は見られなかった。
6) 計算から求めた大豆乾物の真密度は1.36g/mlであった。
7) 大豆粒の2次元画像と形状係数をもとに比容積を推算した結果, 実比容積と相関係数0.90で良く一致することが分かった。