農業施設
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非接触反射型近赤外分光法による冷凍カツオ粗脂肪量の非破壊測定
山内 悟澤田 敏雄河野 澄夫
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2004 年 35 巻 1 号 p. 25-31

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抄録
非接触反射型近赤外分光装置を用いてラウンドの冷凍カツオの脂肪含量を推定する方法について検討した。非接触反射型近赤外装置を用いて, 魚体より10cm上方から魚体中央部の近赤外スペクトルを測定し, 併せて同部分の脂肪含量を従来法により求めた。得られた近赤外スペクトルおよび脂肪含量をもとに重回帰分析を行った。脂肪の吸収バンドである1162nmを第1波長とする検量線において良好な結果が得られ, このときの相関係数は0.88, SEP (検量線評価時の標準誤差) は6.1%であった。同近赤外装置による魚体表面の測定視野は魚体中央部の直径5cmの円形状の範囲であった。装置と魚体との距離は脂肪の測定値に大きく影響した魚体の温度変化はスペクトルに影響を及ぼしたが, 得られた検量線が温度補償型であることから, 測定誤差の発生要因とはならなかった。
この測定方法は, 冷凍カツオ水揚げ市場や水産加工場において魚全体をオンライン測定するのに有効であると考えられる.
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