1985 年 29 巻 6 号 p. 381-384
我々は, 免疫固定法における抗体に代えて, lectin を用いる方法を lectinofixation 法と命名した. allo Alectin を用いた本法により, ヒト血清中の親和性蛋白質の直接的な検出を試みた. 2次元電気泳動および等電点電気泳動後に lectinofixation 法を適用したところ, 親和性蛋白質は鮮明な像として染色された. 親和性蛋白質として, orosomucoid, α1-antitrypsin, transferrin などが検出されたが, albumin などは親和性を有せず検出されなかった.
本法は鋭敏でしかも簡便であるので, 糖蛋白質の優れた検出法の一つになるものとして期待される.