乳幼児, 小児の血中にアミラーゼ結合性免疫 glob の発見された例は極めて少ない (最年少例は4歳).
今回, 0歳児 (2ヵ月齢と11ヵ月齢) の血中にアミラーゼ結合性IgG-κλを検出した. この2例の母体血中にはアミラーゼ結合性免疫 glob は認められなかった. そのうちの1例では生下時臍帯血清の検索を行ったが, アミラーゼ結合性免疫 glob は認められなかった. 一方, 対照例のアミラーゼ結合性IgG-κをもつ妊婦から出生した新生児にはアミラーゼ結合性IgGが検出され, アミラーゼ結合性IgA-κが検出された妊婦から出生した新生児血中には, アミラーゼ結合性IgAが検出されなかったが, 母乳中にアミラーゼ結合性IgAが検出された. これらの成績より, アミラーゼ結合性IgGに胎盤通過性があるが, これら2例の0歳児の血中アミラーゼ結合性免疫 glob は母体由来でなく児に発症したものと考えられた.