生物物理化学
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0歳児の乳児に発現したアミラーゼ結合性免疫グロブリン
戸沢 辰雄佐藤 仁美
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1985 年 29 巻 6 号 p. 385-389

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抄録

乳幼児, 小児の血中にアミラーゼ結合性免疫 glob の発見された例は極めて少ない (最年少例は4歳).
今回, 0歳児 (2ヵ月齢と11ヵ月齢) の血中にアミラーゼ結合性IgG-κλを検出した. この2例の母体血中にはアミラーゼ結合性免疫 glob は認められなかった. そのうちの1例では生下時臍帯血清の検索を行ったが, アミラーゼ結合性免疫 glob は認められなかった. 一方, 対照例のアミラーゼ結合性IgG-κをもつ妊婦から出生した新生児にはアミラーゼ結合性IgGが検出され, アミラーゼ結合性IgA-κが検出された妊婦から出生した新生児血中には, アミラーゼ結合性IgAが検出されなかったが, 母乳中にアミラーゼ結合性IgAが検出された. これらの成績より, アミラーゼ結合性IgGに胎盤通過性があるが, これら2例の0歳児の血中アミラーゼ結合性免疫 glob は母体由来でなく児に発症したものと考えられた.

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© 日本電気泳動学会
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