生物物理化学
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実験動物における血清コリンエステラーゼアイソザイムの研究
各種動物における血清コリンエステラーゼアイソザイムと血清コリンエステラーゼ活性値
赤堀 文昭坂口 和子光崎 龍子政岡 俊夫新井 成之
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1987 年 31 巻 4 号 p. 233-240

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抄録
各種実験動物における Cholinesterase(ChE) 活性値とChE isoenzyme pattern との関連性を追究するため, Ellman' 法によりChE活性を, また, PAG-Ep法によりChE isoenzyme pattern を検討した. 1) Wistar 系およびSD系ラットの ChE isoenzyme pattern はいずれも6分画からなり, 分画数のうえには性差ならびに年令差はみられなかった. しかし, ChE isoenzyme band の相対比においては, 両系のラットでいずれも性差が認められ, また, 血清ChE活性値においても性差が同様に観察された. 2)一方, 各動物種の ChE isoenzyme band 数は, ジャンガリアンハムスター, JW-NIBSウサギおよびサラブレッド系ウマで各4本, ハートレイ系モルモット, 日本ザル, ヨークシャー系ブタおよびWE系日本ウズラで各3本, また, ビーグル犬では3~5本であった. 3) 今回供試した実験動物における ChE isoenzyme band の相対比ならびにChE活性値にはラットを除いて性差が認められなかった. 4) 各動物とも ChE isoenzyme の特定の band がChE活性値と関係のあることが推察される.
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© 日本電気泳動学会
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