生物物理化学
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ヒトCu, Zn型スーパーオキサイドジスムターゼの二次元電気泳動法的解析
柴田 太荻田 善一
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1988 年 32 巻 1 号 p. 27-31

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抄録

我々は3種類の電気泳動法, すなわち, 等電点電気泳動法, ポリアクリルアミドゲル電気泳動法, SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法を組み合わせた投影二次元電気泳動法を考案し, これを用いてヒトCu, Zn型スーパーオキサイドジスムターゼ (SOD) アイソザイムを解析した。ヒトCu, Zn型SODは等電点の異なる5種のアイソザイムに分離された。これらのアイソザイムは, 非変性条件下の二次元電気泳動法により, それぞれ2~3個のスポット, 総数11個のスポットに分離された。一種類のアイソザイムから分離されるスポットのそれぞれは, 熱処理によって同一アイソザイムの他のスポットを生成することから, 異性体であると考えられる。投影二次元電気泳動法により, これらのアイソザイム, および異性体は同一の分子量(15.5kDa) を有するサブユニットから成っていることが明らかとなった。以上の結果から, これらのアイソザイムは荷電状態の差によって分離されたものであり, もとは一種類のポリペプチド鎖が後成的修飾を受けた結果生成されたものであると推定される。

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© 日本電気泳動学会
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