生物物理化学
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多発性骨髄腫例に認められたCH2ドメインの欠損が考えられる異常分子IgG2の免疫化学的特性
藤田 清貴櫻林 郁之介河合 忠草〓 睦子寺邑 能実山田 博豊竹山 英夫
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1990 年 34 巻 1 号 p. 19-23

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抄録

構造異常と考えられる低分子IgGの出現した多発性骨髄腫のきわめて稀な1症例を経験し検討を加えた. 精製されたIgG型M-蛋白は, 抗γFab抗血清, 抗γCH2ドメイン抗血清には全く反応しなかった. SDS-PAG電気泳動では, 2-ME処理前で94,000と99,000の2本のバンドが, 処理後では44,000と28,000のバンドがそれぞれ観察された. Western blotting 法により, 44,000のバンドは抗γ鎖抗血清, 抗γFc抗血清と, 28,000のバンドは抗λ鎖抗血清とそれぞれ反応することが確認された. γ鎖の subclass はIgG2であるにもかかわらず Protein Aに結合性を示さないこと, 抗γCH2ドメイン抗血清には全く反応しないこと, 正常γ鎖に比較し分子量が約6,000ダルトン小さいこと, などからCH2ドメインの欠損が強く示唆されるとともにλ鎖がダイマーとして異常γ鎖に結合している可能性が考えられた.

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© 日本電気泳動学会
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