生物物理化学
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In vitro で実験的に作製した乳酸脱水素酵素結合免疫グロブリン複合体の若干の性質と血流中での寿命について
三浦 雅一坂井 博坂岸 良克菰田 二一
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1993 年 37 巻 4 号 p. 203-208

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抄録

臨床上しばしば見られる酵素結合免疫グロブリンのモデル実験としてヒト精製乳酸脱水酵素 (LD) A4およびB4とそれらの抗ヒトLDモノクローナル抗体 (MoAb) 複合体を作製し, これらの若干の特性を調べた. その結果, LD-LD MoAb 複合体の特性は臨床上発見される E-Ig複合体の抗体の性質と類似し, その電気泳動上での移動度もよく一致していた. 本研究では特にLD結合免疫グロブリン複合体形成に関与すると思われる各 MoAbの糖鎖部分について注目し, 各 MoAb を各種グリコシダーゼで処理し, ヒト精製125IラベルLDアイソザイムと結合させた. こうして実験的に作製したLD-LD MoAb 複合体を家兎腹腔中へ注射した. その後, 血流中でのLD結合免疫グロブリン複合体の消失曲線を評価した. その結果, 実験的に作製した LD A4-LD MoAb 複合体の寿命においては抗体側のシアル酸も含めた糖鎖部分が重要であるものと考えられた. 一方, 抗体側のシアル酸以外の糖鎖部分もしくはタンパク部分がLD B4-LD MoAb 複合体の寿命に関与しているかもしれない.

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