1994 年 38 巻 3 号 p. 195-200
イヌ免疫グロブリンA (IgA) の分離精製の材料として胆汁を使用し, DEAE・セルロースを活性化せずバッチ法を用いることにより効率よくIgAが回収できた. これをさらにTEAE・セルロースクロマトグラフィー, セファデックスG-200による濾過によって精製することにより, 高度に精製された免疫学的に単一なイヌIgAが得られた. この精製IgAによって特異抗血清を作成することができた. また, この特異抗血清を用いて免疫電気拡散法によるIgAの定量について検討を行ったところ, 60倍希釈抗血清を使用することにより1.6~13.2mg/dlまで直線性よくIgAの定量が可能であった.