生物物理化学
Online ISSN : 1349-9785
Print ISSN : 0031-9082
ISSN-L : 0031-9082
In vitro における血清リポ蛋白変化の電気泳動法による分析
安原 正善森脇 貴美藤田 誠一片山 善章高木 康五味 邦英
著者情報
ジャーナル フリー

2002 年 46 巻 2 号 p. 91-100

詳細
抄録

In vitro における血清リポ蛋白の安定性について報告する. 37℃加温による血清外観の経日変化は, free では5日目, 10日目で濁りが減少し, その後, 経日的に濁りは増す. 一方, V. EやEDTAでは15日目まで変化なく, 20日目で増加した. PAGEによるリポ蛋白の経日変化については, LDL亜分画の出現, IDLの出現, LDLの陽極への移動, HDLの減少が認められた. 脂質項目の経日変化は, V. EとEDTAで安定した値が得られた. EDTAは良好なリポ蛋白変性防止効果が認められ, 血清中の金属類が酸化変性に大きく関与していることが示唆された. また同時に, in vitro において血清リポ蛋白は, 酸化変性以外にも変化することも確認された.

著者関連情報
© 日本電気泳動学会
前の記事 次の記事
feedback
Top