抄録
筆者らはこれまでに「日本手話・日本語電子辞書システム」を開発したが,いくつか問題点がある.図1に開発した辞書システムのGUIを示す.この辞書は,手話の手型・位置,動きなどから目的とする手話を検索するが,選択項目が多く,子どもには使いづらい.また,調べたい手話が見つかったとしても,その説明は手話の成り立ちを述べており,単語の意味ではない.また,言葉の意味が書かれたとしても,書記日本語での説明であり,読解能力が低い子どもには理解が難しいという問題がある.
これを解決する方法として,手話単語をカメラの前で表現すれば,その手話の意味を手話で解説する手話による国語辞典(日本手話・日本手話辞典)の開発が必要である.さらにろう教育を充実させるために手話による百科事典(日本語・日本手話事典)があればなおよいと考えられる.