手話コミュニケーション研究会論文集
Online ISSN : 2758-3910
最新号
手話コミュニケーション研究会論文集2022
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
  • 神田  和幸
    2023 年 5 巻 1 号 p. 10-14
    発行日: 2023/04/01
    公開日: 2023/05/01
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    概要 指文字は日本語の音節単位であるモーラに対応している。しかし拗音や撥音を含む音節はモーラに対応していない。それは遷移の時間差による。本論では指文字音節分析という概念を提案した。
  • 神田 和幸
    2023 年 5 巻 1 号 p. 15-17
    発行日: 2023/04/01
    公開日: 2023/05/01
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    ロボットやアニメなど人間の動作を模倣した製品や作品が氾濫しているが、それらを観察すると、呼吸の動きがほとんどない。あるのはため息や深呼吸など大きな動作の時だけである。つまり無意識な呼吸は無視されている。「呼吸は無意識な運動」である。言語のリズムも無意識である。日本語が4拍子であることも知っている人は少ない。長い文章になっても、息継ぎの個所は同じで、これを文節という。呼吸は一定間隔なので、それがリズムとなっている。リズムは一定だが間隔は速度によって変わる.。それがテンポである。人間の呼吸はできるだけ一定にしようとするので、テンポが速くなれば息継ぎの一部を省略することもある。息継ぎは心臓の鼓動と連動しているので、テンポが速くなると鼓動も速くなるし、テンポが遅くなると鼓動もゆっくりになる。眠くなるのは鼓動がゆっくりになった時であるから、発話をゆっくりにするとリラックスした状態になる。対話において、聞き手は発話者のテンポに合わせて聞いているから、発話がゆっくりになると聞き手の呼吸や鼓動も同期する。呼吸や鼓動との関連の研究は未見である。呼吸が筋肉運動を支配しているかどうかは微妙な議論があるが、排気の時に筋肉が弛緩することが知られている。ジェスチャーと言語の関係において、ジェスチャーの動作は言語と同期することが知られている。言語と動作の関連は強いので、音声言語と手話を同時に産出すると、音声対話動作になるのは必然的であり、そのリズムは個人差がほぼない。いわゆる日本語対応手話のリズムに個人差は見られない。個人により差が生じる場合は、手話の習熟度が進み、手話のリズムや語形成がより手話に近づく、いわゆる中間型手話になる場合である。この場合は、コードスイッチなどの現象が起き、発話と動作が交代するような産出になる。
  • 神田
    2023 年 5 巻 1 号 p. 18-20
    発行日: 2023/04/01
    公開日: 2023/05/01
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    人間がどのように意味を感じるかという根本的な問題はまだほとんど議論されていない。しかし答えは単純で、「意味は受け手が構築していく」ということである。しかし答えは単純で、「意味は受け手が構築していく」ということである。コミュニケーションとはメッセージの送り手の意図が受け手に伝わること、という理解が信仰のように広がっている。そもそもこの前提がなければ、宣伝や広告などありえないし、議論や外交も成り立たないと思っている人が多い。しかし現実にはその前提が怪しいため、なかなか議論が進まず、交渉も成立しない。意味の構築のシステムは有限な要素の組み合わせによって行われることを指摘しておく。同様なことは音声についても起こっており、音素が、音声といった有限個の要素が組み合わせることで、無限の結果が得られるしくみである。そして聴覚によって認知された信号を聞き手が要素に分解して、非連続的な単位として認識される。意味についても同じシステムであることが想定されるので、音素に該当する単位として意味の最小単位である形態素のリスト化により、その組み合わせにより意味が生成されていく過程を模倣できるかもしれない。
  • 神田 和幸
    2023 年 5 巻 1 号 p. 21-23
    発行日: 2023/04/01
    公開日: 2023/05/01
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    日本手話についても音挿入現象があることが予想される。しかしepenthesisを音挿入と呼んでいいかは疑問が残る。音声言語の音声学の用語であり、英語的には音を意識させない用語だが、日本語訳では明白に音声言語の用語であることが表示されてしまうので、専門家以外に誤解を呼ぶリスクがある。語連鎖において、音挿入の現象がある、ということは、語レベルの議論と音韻レベルの議論に終始していては解決できない課題で、形態論のレベルの議論を想定することで解決することも多いと予想している。
  • ―音声言語との比較ー
    神田 和幸
    2023 年 5 巻 1 号 p. 1-9
    発行日: 2023/04/01
    公開日: 2023/05/01
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    新手話学の立場から、手話のモーラを提案し、手話の語形成構造から手話言語の構成素について提案する。日本手話は日本語、英語、アメリカ手話とも異なる言語構造をしている。
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