日本化粧品技術者会誌
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ファンデーション仕上がりの日間変動の要因解析
沖山 夏子津田 千春森合 康朗次田 哲也南 浩治佐藤 直紀
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2013 年 47 巻 4 号 p. 292-300

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抄録
ファンデーション (FD) ユーザーの多くが日常的に感じている「化粧のり」,すなわち化粧仕上がりが日によって異なる現象に着目し,同一人の肌で化粧仕上がりを毎日観察する調査を行った。化粧仕上がり変動の原因は,素肌の表面状態が日によって変動することによりFD の肌への付着状態が変化するため,という仮説を設けた。30代女性15名のパウダータイプFDユーザーを被験者とし,素肌の表面特性 (水分量,皮脂量,粘弾性) の測定と表面状態 (落屑,毛穴,ニキビ,色むら) の観察,化粧仕上がりの観察を1カ月間毎日実施した。その結果FDの仕上がりは,同一被験者が同じFDを使用していても日によって変動していた。変動の内容は「かさつき目立ち」が変動するタイプと「ムラづき」が変動するタイプの被験者に分類された。素肌状態も日により変動していた。FD仕上がりと素肌の変動の相関を被験者ごとに解析した結果,「かさつき目立ち」変動タイプでは落屑,ニキビの変動が,複数の被験者において仕上がり変動と相関が認められた。素肌の表面凹凸が日々変動することがFD付着性に影響を与え,化粧の「かさつき目立ち」の変動の原因となることが示唆された。
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© 2013 日本化粧品技術者会
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