日本化粧品技術者会誌
Online ISSN : 1884-4146
Print ISSN : 0387-5253
ISSN-L : 0387-5253
報文
Stratifinに着目した皮膚老化メカニズムに関する研究
足立 浩章村上 祐子堀田 直和田中 浩中田 悟
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 49 巻 3 号 p. 211-217

詳細
抄録
Stratifin(SFN)は, 表皮角化細胞において産生され, 表皮における細胞周期の進行停止やアポトーシスの誘導だけでなく, 真皮におけるコラーゲン産生にも関与しているという報告があるが, 皮膚老化における機能に関しては, いまだ不明な点も多い。本研究では, 皮膚老化におけるSFNの働きに着目し, Bromodeoxyuridine(BrdU)により老化誘導した表皮角化細胞において, SFNの発現亢進がみられることを明らかにした。また, SFNは, 表皮角化細胞におけるFilaggrin(FLG)およびSerine palmitoyltransferase(SPT), 真皮線維芽細胞におけるType I collagen(COL-1)およびヒアルロン酸合成酵素2(HAS-2)の発現量をそれぞれ減少させた。一方, 老化誘導によるSFNの発現亢進は, ラブインナミスト抽出物により抑制された。以上より, 加齢によるSFNの増加は, 皮膚の老化原因の一つであること, ラブインナミスト抽出物は, SFNの増加に対して有効であることが考えられた。
著者関連情報
© 2015 日本化粧品技術者会
前の記事 次の記事
feedback
Top