2015 年 49 巻 4 号 p. 309-318
主観評価による感覚用語間の相関関係を調査した結果,「もっちり感」は,「べたつき感」のない試料において,「粘着感」が大きいほど大きく感じることがわかった。「べたつき感」は「残液感」と「粘着感」が大きいほど,大きく感じる。そのため,「もっちり感」は,「残液感」と「粘着感」が小さい化粧品,つまり「べたつき感」のない化粧品であれば,「粘着感」と同じ感覚として評価されることがわかった。「もっちり感」を機器評価するためには,「もっちり感」を説明する「粘着感」と「べたつき感」を数値化すればよい。「粘着感」は剥離力で数値化が可能となり,「べたつき感」は「残液感」と「粘着感」に関係するため,化粧品残存率と剥離力で「べたつき感」の有無が判断できることを見出した。これにより,「もっちり感」は,化粧品残存率と剥離力が一定以下の範囲内にあり,かつ,その範囲内での剥離力が大きいという傾向を示し,機器評価できることがわかった。