日本化粧品技術者会誌
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原著
植物系ワックスを由来とする「しなやかさ」に優れる新規皮膜形成剤の開発とマスカラ製剤への応用
渡辺 恵悟柿沢 英美奥山 雅樹
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2016 年 50 巻 2 号 p. 104-112

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抄録

マスカラにおいて,まつ毛のカール固定およびカール保持は必要不可欠な機能である。従来はカール固定および保持機能の演出のために,硬さに優れるワックスと柔軟性に優れるレジンを併用し,ワックスに可塑性を付与するという技術が用いられてきた。しかしながら,この技術により得られた皮膜はワックスの脆さを完全には解消することができず,またレジン由来のべたつきを有するものであった。よって,両者の長所である硬さと柔軟性を併せ持ちながらも,短所である脆さとべたつきを解消した皮膜形成剤の開発が望まれていた。今回,植物系ワックスの中で最も硬い領域にある「カルナウバワックス」の成分組成に着目し,固液抽出法を用いてカルナウバワックス中のレジン成分の濃度を高めることで,新規皮膜形成剤「カルナウバロウエキス」の開発に成功した。カルナウバロウエキスは,カルナウバワックスの特長である硬さは維持しながらも,課題である脆さが解消されていることが物性測定により明らかになった。実際にカルナウバロウエキスを配合した油性マスカラは,従来の製剤と比較してまつ毛のカール形状の固定および保持効果が向上し,マスカラにおいて優れた皮膜形成剤になる可能性が示唆された。

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