日本化粧品技術者会誌
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ローズマリーによる角層剥離酵素の活性増加を介した肌くすみの軽減
石田 喬裕大槻 崇史深山 怜奈芳川 洋子野上 紀子山原 年
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2020 年 54 巻 3 号 p. 258-263

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抄録

われわれはこれまでに年齢とともに増加しやすい肌のくすみがカリクレイン (KLK)-5の活性を促す製剤の使用で軽減することを明らかにしてきた。今回, KLK-5と類似した表皮剥離作用を示すKLK-7に着目, その活性増加を介して肌くすみを軽減させることが可能か否か, 植物抽出物を活用して見出すことを目的として検討した。まず, 培養表皮角化細胞のKLK-7遺伝子発現量, 細胞増殖作用を指標として有効な植物抽出物を探索, その結果, ローズマリー抽出物による有意な増加がそれぞれ認められた。次に, 同抽出物配合化粧水を用いたヒト連用試験の結果, ヒト角層KLK-7活性の増加傾向, 角層細胞面積の有意な減少が認められ, 被験者が感じる肌くすみ, ごわつきは減少, 特に女性被験者でより減少した。以上より, ローズマリー抽出物は表皮細胞の増殖に加えて角層剥離を緩やかに促すことで表皮ターンオーバーを維持しつつ肌くすみを軽減させる可能性が示唆された。

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