日本化粧品技術者会誌
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原著
オーロラ色を呈する安定な液状化粧品の開発
坂西 裕一福田 瞳佐藤 結豊玉 彰子山中 淳平
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2021 年 55 巻 4 号 p. 371-378

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抄録

スキンケア化粧品に色をつける方法として,合成染料や植物由来の色素を添加する方法が一般的である。しかしこの場合,着色される色調は色素の種類に限定されるうえ,合成染料の種類によっては皮膚への悪影響も懸念されている。また,これらの色素は経日的に退色しやすいという欠点があり,このため退色防止のために紫外線吸収剤やキレート剤を配合することも多く,これらの安定化成分による安全性の懸念もある。そこでわれわれは,商品のコンセプトを反映させる素敵な色をもつ安全性の高い液状化粧品を提供するため,粒子が媒体中で規則正しく配列し結晶構造をとるコロイド結晶に着目し,美しいオーロラ色状を呈する素材の開発を試みた。その結果,塩,アルコール,界面活性剤の添加に対しても安定で,かつ安全性の高い,ポリマーからなるコロイド結晶形成技術の開発に成功したので報告する。また今回確立した技術を用いて,オーロラ色の水性ゲル化粧品を調製した。これは6カ月以上常温で沈降分離することなく安定であることが確認できた。

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