日本化粧品技術者会誌
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短報
適度なカバー力と自然な仕上がりの両立に向けた新しい板状粉体の開発
岩國 真弓三輪 直也芦髙 圭史
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2021 年 55 巻 4 号 p. 385-390

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抄録

われわれは,新しい白色粉体であるビス(リン酸水素)チタン(INCI名:Titanium Bis(Hydrogen Phosphate))を開発した。このビス(リン酸水素)チタン(以下,リン酸チタン)は,面が平滑でアスペクト比が8程度の扁平な板状粒子である。水熱反応を用いて粒子を合成していることから,粒度分布は非常にシャープであり,粒子径を0.3〜7 μmで任意に制御可能である。粒子径について隠蔽力およびソフトフォーカス性との関係を確認した結果,1 μmで優れた結果となった。1 μmのリン酸チタンを用いたパウダーファンデーションの官能評価の結果,塗り広げやすさ,しわの目立ちにくさが特に優れる結果を示した。このことから,リン酸チタンは今までにない白色機能性粉末として期待される。

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