日本化粧品技術者会誌
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原著
ヘアトリートメント揉み込み操作によるうねりの減少とその作用機序
上門 潤一郎細井 菜海藤原 暢之上甲 恭平
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2025 年 59 巻 4 号 p. 207-217

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抄録

美容室では,洗い流すトリートメントの効果をより高めることを期待して,トリートメントを塗布した髪を手で揉み込む美容操作が行われている。このトリートメント揉み込み操作の効果を官能評価により確認したところ,髪のうねりが減少しシルエットのまとまりが向上した。このトリートメント揉み込み操作による毛髪のうねり減少効果の作用機序を明らかにするために,トリートメントにマーカーとして配合した塩基性赤51の染着挙動および毛髪内浸透域について検討し,さらに非ケラチンタンパク質凝集構造体の構造変化およびそれに伴う物性変化について検討した。その結果,トリートメントの揉み込み操作は,1)マーカーとして用いた塩基性赤51の染着量と浸透域を増加させた,2)毛髪を均一で柔軟な素材に変化させた,3)濡れた髪を真直ぐ整えながら乾かすブロー操作の際,非ケラチンタンパク質凝集構造体の再配列で生じる歪みを少なくし,均一な凝集構造体にしていた。トリートメントの揉み込み操作は,トリートメント成分の毛髪への浸透域を増加させながら毛髪の非ケラチンタンパク質凝集構造体を弛緩させ,髪を真直ぐに整えながら乾かす際に起こる繊維軸に沿った非ケラチンタンパク質構造体の均一な再配列を促進することで,髪のうねりを減少させたと考えられる。

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