日本化粧品技術者会誌
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総説
皮膚再生IV:創傷治癒~再生と修復~
難波 大輔
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2026 年 60 巻 2 号 p. 69-80

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抄録

創傷治癒は,組織が完全に復元される「再生」と,瘢痕を残し機能障害が残る「修復」に大別される。皮膚の上皮化では,表皮や毛包などに存在する複数の幹細胞が領域を超えて協調し,角化細胞を供給する。近年の生体イメージングや細胞系譜解析により,分化細胞の脱分化や創傷記憶の保持など,従来のモデルを覆す動態が明らかになりつつある。一方,真皮の修復は線維芽細胞による細胞外マトリックスの再構築を主とし,多くの場合,線維化した瘢痕組織を形成する。この瘢痕化には特定の遺伝子履歴を持つ線維芽細胞集団や筋膜由来の細胞が関与しており,物理的張力や特定のシグナル(TGF-β/Smad, FAK等)を標的とした抑制治療の研究が進んでいる。創傷治癒プロセスが停滞する難治性皮膚潰瘍は,糖尿病や血流障害等の全身要因が複雑に関与し,医療経済的にも大きな課題である。これに対し,従来の植皮術や増殖因子投与に加え,間葉系幹細胞や血管内皮前駆細胞を用いた移植医療,ダイレクト・リプログラミング技術などの次世代療法が開発されており,大規模な臨床試験を通じた実用化が期待されている。

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