抄録
本論文は, 表面現象に参与するラノリン誘導体に関して, われわれの研究所で行われた種々の方面の研究を示したものである。
潜在的表面活性の根源を示すためにラノリンと, その誘導体の化学を簡単に総覧した。
ラノリン誘導体の比較的な評価をするために, 簡単な技法を用いることで, 顔料の湿潤性に関するデーターを示した。
エマルジョン系のレオロジー的様相に及ぼすラノリン誘導体の影響を, これらの系の粘性及び安定性挙動により示した。
ラノリン誘導体の可溶化効果, 乳化効果を論じ, その意味する原理の例を処方で示した。
ラノリン誘導体の拡散性に関するデーターを, その応用と共に示した。
いくつかの可塑性効果及び表面効果を, その処方への使用により評論した。